この記事のポイント
- 体重は、水分や食べた物の重さで1日に1kg前後上下するのがふつうです。1日で脂肪が1kg増えることは、まずありません。
- 週末に増えて平日に戻る「週のリズム」も、多くの人に見られる自然な動きです。
- 毎日の数字ではなく、上下をならした「トレンド体重」と週あたりのペースで判断すると、一喜一憂せずに続けられます。
01体重は、1日に1kg前後動くのがふつう
昨日より体重が1kg増えていると、「食べすぎたせいで太った」と感じます。でも、体脂肪1kgは約7,200kcalのエネルギーに相当します。1日で脂肪を1kg増やすには、ふだんの食事に加えて7,000kcal以上を余分に食べる必要があり、現実的ではありません。
1日の増減のほとんどは、脂肪ではなく次のようなものです。
- 水分: 汗や尿、飲んだ量で変わります。
- おなかの中の食べ物: 食べた物そのものの重さです。消化されて出ていくまで、体重に含まれます。
- 塩分: 塩分の多い食事のあとは、体が水分をため込みやすくなります。
- 炭水化物: 炭水化物は「グリコーゲン」として体にたくわえられますが、グリコーゲン1gには約3gの水が一緒にたくわえられることが報告されています[1]。ごはんやめんを多く食べた翌日に体重が増え、控えると急に減るのは、主にこの水分です。
02週末に増えて、平日に戻る
フィンランドなどの研究チームが、成人80人の毎日の体重(4,657回分の測定)を分析したところ、日曜日と月曜日に重く、平日にかけて少しずつ軽くなるという週のリズムが見られました。増え始めるのは土曜日、減り始めるのは火曜日でした[2]。
このリズムは、体重を減らせた人や保てた人で特にはっきりしていました。研究では、週末と平日の体重の差は「体重が増えたしるし」ではなく、ふつうのこととして受け止めるべきだとしています。大事なのは、週末の増加を平日で取り戻せているかどうかです。
03「トレンド体重」で流れを見る
毎日の上下に振り回されないために、数日分の体重をならして流れ(トレンド)を見る方法があります。よく使われるのが「指数移動平均」という計算です。
トレンド体重の計算今日のトレンド = 前回のトレンド + 0.2 ×(今日の体重 − 前回のトレンド)
今日の体重と、これまでの流れとの「差」の2割だけを反映させます。1日だけ重くても、流れはほとんど動きません。
たとえば、5日間の体重が次のように動いたとします。毎日の数字は最大1.4kg動いていますが、トレンドの動きは0.2kgほどです。
| 日 | その日の体重 | トレンド体重 |
|---|---|---|
| 1日目 | 60.0 kg | 60.00 kg |
| 2日目 | 60.8 kg | 60.16 kg |
| 3日目 | 59.6 kg | 60.05 kg |
| 4日目 | 60.4 kg | 60.12 kg |
| 5日目 | 59.4 kg | 59.97 kg |
この方法には「少し遅れてついてくる」という性質もあります。0.2という割合だと、遅れはおよそ4日分です。割合を小さくするほど線はなめらかになりますが、そのぶん実際の変化に追いつくのが遅くなります。
04週あたりのペースと、目標に届く日
トレンド体重が2〜3週間分たまると、1週間でどれくらい減っている(増えている)かが見えてきます。たとえばトレンドが3週間で0.9kg下がっていれば、ペースは週0.3kgです。
ペースが分かれば、「いまの体重と目標体重の差 ÷ 週あたりのペース」で、目標に届くまでのおよその週数も出せます。日々の数字ではなく、このペースが予定どおりかどうかで、食事の量を見直すかを決めるのがおすすめです。
05測り方のコツ
- 同じ条件で量る: 朝起きてトイレのあと、食事の前など、毎回同じタイミングにすると、ぶれが小さくなります。
- 毎日でなくてもいい: 量る回数が多いほど流れは安定しますが、量れない日があってもトレンドは計算できます。
- 1日の数字で判断しない: 増えた日も減った日も、まずは記録だけ。判断は1〜2週間のペースで。
- 体重計の記録を自動で取り込む: スマートフォンと連携する体重計なら、記録の手間が減って続けやすくなります。

カロログでは
体重を記録すると、この記事と同じ考え方(0.2の割合の指数移動平均)でトレンド体重と週あたりのペースを出し、目標体重に届く日の目安を表示します。iPhoneのヘルスケアに入った体重も、1日1件取り込めます。どれも無料でお使いいただけます。
06出典
- Early weight gain and glycogen-obligated water during nutritional rehabilitation. Hum Nutr Clin Nutr. 1982;36(3):223-232. PubMed
- Orsama AL, Mattila E, Ermes M, van Gils M, Wansink B, Korhonen I. Weight rhythms: weight increases during weekends and decreases during weekdays. Obes Facts. 2014;7(1):36-47. PubMed
この記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、医師・管理栄養士による診断や指導に代わるものではありません。持病のある方、妊娠中の方、食事の制限を受けている方は、医療機関にご相談ください。